看護師が転職サイトを使わない方がいいと言われる点を、国の資料で確かめる

この記事では、担当者が求人を紹介する転職サイトを扱います。有料の職業紹介事業を行うには、厚生労働大臣の許可が要ります。職業安定法 第30条第1項 ↗

厚生労働省は、医療・介護・保育の3分野を扱う紹介事業者に、集中的な指導を行いました。対象は、期間の定めのない雇用の紹介実績がある事業者です。

医療・介護・保育分野の紹介事業者への集中指導の結果(令和5年8月〜令和6年5月)
項目事業所の数
指導を実施した事業所1,152事業所
職業安定法などの違反があった事業所716事業所

表の出典厚生労働省職業安定局「医療等3分野の集中指導監督の実施状況(第369回労働力需給制度部会 資料2-1)」(取得日 2026-10-13)医療等3分野の集中指導監督の実施状況 結果概要 ↗

指導の内容ごとの件数は、次のとおりです。

集中指導での指導の内容と件数
指導の内容件数資料にある例
事業の情報の明示・公開551件国のサイトに、手数料や離職した人の数を載せていない
帳簿書類の記載472件求人求職管理簿や手数料管理簿に、記載のもれがある
手数料409件届け出た手数料表の上限を超える額を徴収した
労働条件などの明示336件試用期間や、社会保険の適用が示されていない
返戻金の明示など273件返戻金の制度を、書面などで示していない
転職の勧奨を防ぐための記載205件転職を勧めてはならない期間が、管理されていない
お祝い金25件面接のときに、電子ギフトカードを支給した
個人情報の取扱い21件集める目的を、適切な方法で明らかにしていない
苦情の処理の体制8件苦情の処理の体制を、あらかじめ書面などで示していない

表の出典厚生労働省職業安定局「医療等3分野の集中指導監督の実施状況(第369回労働力需給制度部会 資料2-1)」(取得日 2026-10-13)医療等3分野の集中指導監督の実施状況 指導事例 ↗

指導の件数と、事業所の数は、別の数え方です。3分野を合わせた結果で、看護師の紹介だけの数ではありません。件数が多いのは、帳簿や情報の公開など、手続に関する内容です。

この結果から、「どの転職サイトも使わない方がいい」とは言えません。一方で、決まりを守っていない事業者があったことは、国の資料で確かめられます。

看護師が転職サイトを使わない方がいいか考える前に、事業者の決まりを知る

紹介事業者には、求職者に関わる決まりがあります。次の5つを知っておくと、登録のときの説明を確かめやすくなります。

紹介事業者が守る決まり(求職者に関わるもの)
決まり内容根拠
求職者から手数料を取らない有料の紹介事業者は、求職者から手数料を徴収してはならない(省令で定める場合を除く)職業安定法 第32条の3第2項 ↗
就職から2年間は転職を勧めない紹介で就職した人(期間の定めのない雇用)に、就職の日から2年間、転職を勧めてはならない職業紹介事業の許可条件が追加されます ↗
金銭などで登録を勧めない「お祝い金」などの名目で、社会通念上相当な程度を超える金銭などを渡して、登録を勧めてはならない「就職お祝い金」などの名目での勧奨の禁止 ↗
手数料と苦情の処理を示す取り扱う職種の範囲、手数料、苦情の処理に関する事項を、求職者にも明示する職業安定法 第32条の13 ↗
個人情報は目的の範囲で使う業務の目的に必要な範囲で集め、その範囲で保管・使用する(本人の同意がある場合などを除く)職業安定法 第5条の5第1項 ↗

表の出典厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「職業安定法」(取得日 2026-09-27)厚生労働省「職業紹介事業の許可条件が追加されます」(取得日 2026-10-13)厚生労働省・都道府県労働局「「就職お祝い金」などの名目で求職者に金銭等を提供して求職の申し込みの勧奨を行うことを禁止しました(リーフレット)」(取得日 2026-10-13)

転職の勧奨とお祝い金の2つは、指針で定められていました。2025年1月1日からは、事業の許可の条件にも加えられています。職業紹介事業の許可条件が追加されます ↗

紹介の手数料は、求人を出した側から徴収されます。手数料の率の実績は、2025年4月1日から、国のサイトに載せることになりました。紹介手数料率の実績の公開と違約金規約の明示 ↗

公開の対象は、就職の実績が多い上位5職種です。実績が10件以下の職種は、載せなくてよいとされています。載っていないことは、手数料がないことを意味しません。

看護師が転職サイトを使わない方がいいか迷ったら、登録前に5項目を確かめる

使うかどうかは、事業者を確かめてから決められます。次の確認票の5項目は、公開されている情報と、登録前の問い合わせで確かめられます。

看護師が転職サイトに登録する前に確かめる5項目
確かめる項目どこで確かめるか確かめた結果確認日
職業紹介の許可番号があるかサイトの会社概要と、厚生労働省の人材サービス総合サイトの検索
医療分野の適正な紹介事業者の認定を受けているか認定制度のサイトの、認定事業者の一覧
手数料・返戻金の制度・離職した人の数を公開しているか人材サービス総合サイトの、事業者ごとの情報
連絡の方法と頻度を指定できるか。退会と個人情報の削除の手続があるか利用規約、よくある質問、登録前の問い合わせ
登録や就職で、金銭やギフト券などを渡すと書いていないかサイトの案内と広告

確認票は編集部が作成したものです。職場の実態を示す統計や、条件がかなうことの保証ではありません。未確認の欄をゼロや「なし」で埋めず、回答者・確認日・書面名を残してください。

許可を受けた事業者と、事業者が公開している情報は、人材サービス総合サイトで検索できます。人材サービス総合サイト ↗

認定の制度は、厚生労働省の委託事業です。認定がないことは、不適正であることを意味しません。適正な有料職業紹介事業者の認定制度 ↗

連絡を減らす伝え方は電話の記事、退会の手続は退会の記事で扱っています。

自分の条件を書き込むときに

この照合票を保存する(表計算用TSV) ↓

表計算ソフトで開き、確認結果・未確認の点・回答者と確認日を記入できます。空欄は未確認のまま残してください。患者情報は記入しないでください。

看護師が転職サイトを使わない方がいい場合と、使う場合の分かれ目

次の表は、編集部の整理です。どちらかが正しいのではなく、自分で行う作業の量で分かれます。

看護師が転職サイトを使うかどうかの分かれ目(編集部の整理)
いまの状況考え方確かめる記事
応募したい施設が決まっている施設の採用ページから直接応募できる。日程の調整や条件の確認は、自分で行うエージェントを使わない方法
公的な窓口で探したいハローワークは、無料で職業紹介を行う求人を探せる場所
条件の確認や日程の調整を任せたい転職サイトを使う。上の5項目を確かめてから登録する転職エージェントの比較
電話が多いことが心配連絡の方法と時間帯を、登録のときに伝える電話を減らす伝え方
いくつも登録するか迷う同じ募集への重複した応募を防ぐ複数登録の注意

ハローワークは、無料で公共に奉仕する機関と定められています。職業安定法 第8条第1項 ↗

転職サイトを使っても、使わなくても、内定のあとは労働条件を書面で確かめます。確かめる項目は転職の進め方の記事にまとめています。

看護師が転職サイトを使わない方がいいと感じたときの申告先

登録したあとで説明と違うと感じたら、まず事業者の苦情の窓口に伝えます。苦情の処理に関する事項は、求職者に明示することになっています。職業安定法 第32条の13 ↗

事業者に法令の違反があるときは、求職の申込みをした人は、厚生労働大臣に申告できます。申告があると、厚生労働大臣は必要な調査を行います。職業安定法 第48条の4 ↗

医療・介護・保育の3分野では、労働局に特別の相談窓口が置かれました。求職者からは、退会の手続の煩雑さなどの相談が寄せられています。令和5年2月から令和6年3月までの内容です。医療等3分野特別相談窓口に寄せられた主な相談内容 ↗

いまの相談の窓口は、都道府県の労働局で確かめてください。この記事は、個別の事業者が決まりを守っているかを判定するものではありません。

相談先ごとの違いは、転職エージェントの比較で比べられます。登録することが目的ではありません。条件を書き出してから使いましょう。

出典とファクトチェック

出典:7件 / ファクトチェック:

出典一覧の「確認版」は今回読んだ資料です。公表日が明記されていないページを、取得日に公表された資料として扱いません。

作成:2026年10月13日。